イラスト制作のヒント

「第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ」
グランプリ受賞者インタビュー

「第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ 」でグランプリを受賞された西田ユウさんに、プロを目指した経緯や、受賞後の反響、現在の活動についてお話をうかがいました。

西田ユウ

西田ユウ

高校講師、イラストレーター。
『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ 』グランプリ受賞。
ポケモンカードゲーム公認イラストレーターとして、ポケモンカードイラストの制作が進行中。

プロのイラストレーターになるまで

—— 西田さんのこれまでの経歴を教えてください。

西田:私は小さいころから絵を描くことが好きでした。小学校から中学校はほとんど学校に行けず、登校支援教室というところに通っていて、そこで勉強を教えてもらっていました。ある程度勉強したあとは、絵を描く時間にしてくれたので、かなりの時間を絵に使わせてもらいました。高校からは毎日通うことができて、高校卒業後は、専門学校へと進学しました。その後はフリーのイラストレーターとして活動を始めて、現在は並行して、母校の高校で非常勤講師として授業を担当させていただいています。

西田ユウ

—— 西田さんがプロのイラストレーターを志された経緯を教えてください。

西田:小学生のときから漠然と「絵を描いて生きていきたい」という夢を抱いていました。その当時は絵を描くだけで暮らしていければと思っていましたが、大きくなるにつれ、やはり仕事もしなくてはならないことに気がつきました。「絵を描く」ことと「働く」ことが合わさっている職業を考えてみるとイラストレーターがその条件を満たしているので、自然とプロを目指すことになりました。

—— プロになるために、どのようにイラストの技術を学んできたのか教えてください。ご自身の作風を作り上げるために取り組んできたことは何でしょうか。

西田:幼いころからとにかく絵を描くことが好きで、飽きることなく1日中描いていましたので、それが原点かと思います。

中学生のころに、イラストの通信教育を受講し、少しずつ基礎知識を身につけていきました。あとは、創作です。オリジナルキャラクターや、好きな漫画やアニメのキャラクターをたくさん描いてきました。

西田ユウ

—— いわゆるファンアート*ですか?
*他者が創作したキャラクターなどをもとにした作品のこと

西田:そうです、ファンアートです。幼いころからポケモンはよく描いていました。当時は色鉛筆で描いたアナログのイラストです。14歳からデジタルのイラストを描き始めて、今ではデジタルがメインです。ペンタブレットを使っていたときは、モニターを見ながら手元でイラストを描いていましたが、今は液晶タブレットを使っています。ペンでディスプレイに直接描き込めるので、手描き感が表現できて、描きたいものをより描きやすくなりました。

私の画風は、好きな作品にさまざまな影響を受けています。自分の中にある「好き」や「カッコいい」という気持ちは、どういうイメージなのかを具体的に考えながら描くようにしています。気になった作品があれば、必ずチェックします。好きなポイントや新しい発見があれば、自分の絵にも積極的に取り入れていきたいと思っています。好きな作品と出会うと創作意欲が上がるので、本屋さんへよく行きます。

—— 西田さんご自身のイラストのオリジナリティはどこにあるとお考えですか。また、それを表現する方法を教えてください。

西田:私の絵はピンク色や黄色を使うことが多いです。そういう色使いも、自分のオリジナリティになると思います。キャラクターの表情も大切に描くようにしています。

『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』でグランプリをいただいたサーナイトのイラストを描いたときも、私が思う優しい雰囲気のサーナイト像を表現したかったので、サーナイトのどこが好きでどこを推していきたいのか、どう描けば見てくださる方にうまく伝わっていくのかを探りながら描いていきました。そういう探求をすると、自分らしい作品に仕上がるのかなと思います。

グランプリを受賞したサーナイト

『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』に応募

—— 『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』に応募したきっかけを教えてください。

西田:何かしらのコンペに応募しようと、登竜門のサイトを見ていたところ、『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』が開催されていることを知りました。私はポケモンが好きで、カードゲームも大好きです。それが合わさっているポケモンカードゲームのイラストコンテストがあるということで、「これは何が何でも出すしかない」と思い、応募を決めました。

西田ユウ

—— グランプリ作品はどのような過程で制作されたのでしょうか。

西田:『第1回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』があると知ったその日に、ラフを描き始めました。イメージがわいたものから着手しようと思って、サーナイトをはじめ、イーブイやピカチュウ、ダークライなども描きました。1人3点まで応募が可能だったので、3点応募したかったのですが、ふだんは仕事をしているため、気がつけば締め切りが近づいていて、間に合ったのはサーナイトだけでした。締め切り当日の23時過ぎぐらいに仕上がりました。応募フォームに一言コメントを書くスペースがありましたが、しっかりとした文章は考えておらず、焦りながら書いたのを覚えています。その勢いが逆に良かったのかもしれません。

—— 作品が出来上がったときは、手応えはありましたか。

西田:まずは応募することが大事で、それを目標に描いていたので、提出したときの達成感はあったのですが、自信と言われるとあまりなくて……。応募した後のことは、深くは考えていなかったです。

—— 一次審査を突破し、最終審査候補に残ったときの心境はいかがでしたか。

西田:私の絵が一次審査を通過したことには、もちろん驚きました。その後に、最終審査候補8作品の発表や最終審査がありました。最終審査候補に残ったときは、ひょっとしたらグランプリを獲得できるかもしれない、という期待もあり、家族もざわついてきました(笑)。最終結果が出るまでは、家族と一緒にそわそわした時間を過ごしていました。

—— グランプリ決定前に、授賞式に呼ばれましたね。

西田:始めに授賞式への招待メールをいただきました。メールが届いたときには「これはウソではないか」と疑うぐらいに緊張してしまいました。

最終結果については、授賞式の会場に着くまで知りませんでした。でも「とりあえずは入賞したということなのか」と思って、とてもドキドキしながら東京へ向かいました。

授賞式 1

—— 授賞式には、登壇される受賞者が集まっていたのですね。

西田:その場に準グランプリを受賞されたさとうなるみさんもいらっしゃいました。授賞式に呼ばれたのは、私とさとうさんの二人だけでした。そこで「二人ということは……もしかしたら」という疑問がわいてきました。その後、「西田さんがグランプリです」と伝えられたのですが、驚きのあまり、すぐには理解できませんでした。しばらくすると、「そうか、私のイラストがポケモンカードになるんだ!」というふわふわした気持ちになりました。

イラストレーターの仕事をしていく中で目標にしていたことがいくつかあります。その一つがカードゲームのイラストを描くことでした。その達成はまだまだ先にあると思っていたのですが、突然グランプリをいただいて、「人生何があるかわからない」という幸せな気持ちで、受賞式に臨みました。

—— グランプリを受賞されたときの率直な感想をお聞かせください。

西田:夢のようでしたし、とにかくうれしかったです。こういう機会はめったにありませんから、頑張っていかなくては、と思いました。

授賞式 2

—— グランプリ受賞後の周囲の反響はいかがでしたでしょうか。

西田:家族や周りの方々に、お祝いの言葉をたくさんいただきました。サーナイトのカードが欲しいという言葉もたくさんいただいて、とてもありがたいなと思いました。それまでサインを書くことはほとんどなかったのですが、受賞後は書く機会が増えました。

西田ユウ

—— 実際に自分のイラストがポケモンカードになった際の感想をお聞かせください。

西田:とても感動しました。カードの左下に私の名前が「Yuu Nishida」と書いてあって、本当に夢がかなったと思いました。

ポケモンセンターで配布されるカードでしたので、配布初日に家族とポケモンセンタートウホクへ行きました。ポケモンセンターのスタッフさんに「ポケモンカードゲームイラストグランプリのカードです」と紹介していただきながらカードをもらいました。心の中で「ありがとうございます」と思いながら受け取りました。
実際に配布されているのを見て、いろんなところから、いろんな誰かの元に行くのだなと思って、とても不思議な気持ちでした。

現在の活動

—— 現在はポケモンカードゲーム公認イラストレーターとして、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

西田:商品制作の前段階として、イラスト制作のトライアルを行いました。実際に仕事としてイラストを描けるか確認するためのものです。前回はコンテストでしたが、今回は、実際に商品になるポケモンカードイラストと同じ過程で描くので、とても緊張しました。まだ詳しくはお伝えできませんが、現在商品に収録されるポケモンカードイラストの制作も進行中です!!

—— ポケモンカードゲーム公認イラストレーターに選ばれてから、他の仕事に繋がりましたか? もしありましたら、どのような仕事に携わったのか、お聞かせください。

西田:さっぽろ雪まつりで開催された「SNOW MIKU 2020」、雪ミク(初音ミク)のイベントで雪ミクとポケモンがコラボするということで、アローラロコンと雪ミクが一緒になったイラストを担当させていただきました。元々、ミクちゃんが好きだったので、とてもありがたいご依頼でした。
参照:アローラロコン × SNOW MIKU 2020
※左側のイラストを担当

—— ポケモンカードゲーム公認イラストレーターとして、今後の抱負をお聞かせください。

西田:ポケモンカードゲーム公認イラストレーターという肩書をいただいたことは、私にとって大きなチャンスだと思っています。世界中でたくさんの人に愛されているコンテンツなので、とても光栄なことです。今後は私らしさを出しながら、ポケモンカードゲームの世界をより豊かにできるようなイラストを描いていきたいです。カードゲームファンの皆さんは、それぞれにお気に入りのカードがあると思うのですが、私の作品も誰かの大切なカードになれるように頑張っていきたいです。

—— 『第2回 ポケモンカードゲーム イラストグランプリ』への応募を考えている人に向けて、メッセージをお願いします。

西田:少しでも気になっている方は、締め切りまであきらめずに、ぜひ応募していただきたいなと思います。第2回のテーマは「ポケモンのカッコいい瞬間」なので、仕上がりを考えるのが楽しいと思います。

また、第2回から2Dイラストに加えて、3Dイラストの優秀賞もありますので、さらに個性あふれる作品が寄せられるのではないかと思います。応募される皆さんの思う「ポケモンのカッコいい瞬間」というのは、どういうところなのか。十人十色で、さまざまな作品が出てくると思うので、皆さんの「ここを推していきたい」という熱い気持ちが伝わる作品と出会えるのを楽しみにしています。

西田ユウ

構成・文:元宮秀介(ワンナップ) 撮影:山本佳代子

ピカチュウ
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