植松さんのCGアーティストとしての経歴と、クリーチャーズに入社した経緯を教えてください。

2002年からゲーム開発の仕事を始め、15年目になります。
CGは趣味で始めたのですが、始めてすぐにCGのコミュニティサイトでゲーム会社からスカウトを受けたのがきっかけで、ゲーム業界に入りました。その後いくつかのゲーム会社を経て2008年に、「ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~」の背景スタッフを募集していたクリーチャーズに入社しました。

クリーチャーズに入社して、変わったことはありますか?

ポケモンという、みんなが知っているメジャーな作品をつくっていると感じながら仕事ができるのは、大きな変化だと思います。私たちの世代だと、ポケモンを知らない人はまずいないですからね。

現在はどんな業務をしているのでしょうか。

ポケモンの3Dゲームモデルの作成に関わるさまざまなことをしています。
主には、社内や社外のエンジニアと協力して、3Dアセットデータの構造とワークフローパイプラインの構築を担当しています。
構築後はモデリングチームの運営・マネージメントを行います。クオリティチェック、メンバーへの技術サポート、スケジュール管理などをして、最終的に納品できる状態までもっていきます。
タイトルごとにメインの開発会社やターゲットのハードウェアが違うため、毎回が新しいチャレンジになります。

職場環境はいかがですか?

とても勉強しやすい環境にあると思います。プロジェクトの谷間にはまとまった時間が取れるので、研究開発などにあてています。最近はシェーダーについて勉強しています。関連書籍を読んだりYouTubeの技術系動画を観たり、オンラインの有料講座を利用したりしています。

テクニカルアーティストの仕事は、会社によって違いはありますか?

中には指示だけを出すテクニカルアーティスの方もいますが、私はCGソフトも自分の手で動かしています。

ポケモンを扱うという点で、ほかのテクニカルアーティストと違う点はありますか?

やはり数の問題が大きいと思います。
現在ポケモンは700匹以上いるのですが、個々のデザインがユニークであるため、一元的な処理で扱うには複雑な仕様が必要となります。仕様や技術有りきでモデルバリエーションを増やす、ということはありません。
オスとメスの差、色違い、フォルムチェンジといったバリエーションをいかに簡単に自動でフォークさせるのか?といった部分を重要視して、CG素材の開発環境の仕様を話し合います。

テクニカルアーティストとしてのキャリアプランはどのように考えていますか?

中長期的なキャリアプランでは“テクニカルアーテイストとして”ということに限定せず、もっと幅広く仕事を選ぶことも視野に入れています。
というのも、大枠である“ゲーム開発”という仕事も、近年では少しずつ変化があるのを実感しています。ゲームの“開発環境”と“アセット制作”という仕事が職業ではなくなるのも、遠い未来ではないと思います。

仕事でいちばん楽しいのはどんなときですか?

職業柄、絵を描くのが好きで、3Dのモデルをつくっている時が楽しいですね。時間を忘れて没頭してしまいます。プロジェクト終盤になると、人の意見を取り入れたりするのが大変になってきます。

みんなの意見を擦り合わせるのが難しいと。

それなりの人数でやっているので、みんなの意見がそろうことはなかなかないんですよね。イメージとしては、小学生がよくやっている30人31脚。あれって相当練習しないとトップスピードは出ないじゃないですか。そういう感覚です。技術はもちろんですが、やはりコミュニケーション能力が大切だとつくづく思うんです。

働くうえで心掛けていることはありますか?

「100%の状態で取り組んでいるプロジェクトでも、100%のクオリティで仕上げるのは難しい。ある程度やったら次のプロジェクトに行ったほうがいい」という言葉を以前耳にしたことがあります。この仕事はクオリティを追求しているとキリがありません。時間との折り合いをつけて、どこまでやるかを決めることが大切です。

どんな人と一緒に働きたいですか?

本当に技術的にできるのかは別として、いろんなアイデアを持っている人です。ゲームは面白いかどうかが一番重要なので。

この記事を読んでいる人にメッセージをお願いします。

ポケモンというビッグコンテンツに関われるというやりがいは大きいのではないでしょうか。すでにいる「ポケモン」という存在をいかに3D化するか、ある程度条件が決まっているなかで工夫したり挑戦したりするのが好きな人に向いている仕事だと思います。